昔、母親の実家は石工だった、という話を書いたので、その頃のおはなしを。
大きな彫り物を頼まれたときは、人通りの少ない真夜中に、完成間近の石を大掛かりに運んで設置する。
母は、あるとき、徹夜で仕事をしている父親にお弁当を持っていってくれ、と頼まれたそうだ。
明け方四時過ぎあたりだろうか。
父親への弁当を持っていって、汗だらけの石工たちと挨拶を交わし、ねぎらいの言葉をかけてから家路についた。
女学校が始まる前に家に戻って、と、早足で歩いていた。
寒い時期で、時々、かじかむ手に息を吐きかけながら、少しうつむきかげんに歩いていた。
向うから、誰かが歩いてきたのと、すれ違った。
その瞬間。
バチコーーーン!!
と、頬に平手打ちをくらったのだそうだ。
何がなんだかわからず、あわてて振り返ったが、かの男性は、振り向きもせずすたすたと行ってしまったそうで。
もちろん、思い当たる人なんか、皆無。
今だったら、通り魔みたいなもんだろうか。
あれはいったい、なんだったんだろうねぇ、と、母が話していた。
あたしだったら、反撃してるなぁ、と、ふと思った。
少なくとも、口で。
「何すんの!!」くらいは。
でも、実際そんな目に遭ったら、母のように、ただ立ち尽くしているのかも、なぁ。
そんな母は、運動神経バツグンで、バスケ部に入っていた。
師範学校時代も、バスケは続けていたそうだ。
嫁に来て、そんなことにはとんと縁が無く過ごしていた、ある日。
りんご箱を運ぼう、という段になって、母、そこにあった自転車の荷台に箱を積み込み、さささ、っと乗ろう、として。
ずどで~~~ん!!
と、ひっくり返った!みんなの見てる前で。
あーあー、姉さん。
自転車に荷物を積んだら、後ろから足を回したら、ダメでしょ(;・∀・)
と言われて初めて気づいた、ってんだから。。。(-_-;)
おっちょこちょいにもほどがある。
だって。実用車のほうが、荷台が広くて箱をつけやすかったんだもん。
で、前に棒があるから、つい、後ろがけで乗った、のね。
やれやれ。。。。なまじ、運動神経に自信がある故の失敗、だな。
あたしのおっちょこちょいは、母譲りなんだな、やっぱし。。。